2014.06.05
ココ・シャネル、ダラスに帰る
そして今日はシャネルのショーに行ってきた。
「シャネル 2013-14 パリ-ダラス メティエダールコレクション」。
ダラスということで会場に入るとアメリカ西部的な空間に。大掛かりで、徹底的で、さすがの完成度。
ショーは迫力のひとことで、音楽も照明もブラウスもシフォンドレスも何もかも鳥肌がたつほど素晴らしかったけれど、とくに印象的だったのはセーター……。
れもんらいふの千原さんと。
「ココ・シャネル、ダラスに帰る」
ココ・シャネルがブランクを経て再始動を決意するのが71歳のとき。代表作であるウールやツイードのスーツやジャケットを発表したのが70代半ばで、このときにはじめてバッグとシューズを制作したのだから、ため息がでる。小説でも美術でも詩でもファッションでも何でも、仕事をつづけることがとにもかくにも大事で、それがすべてではあるのだけれど、しかしその人生の最後のほうの仕事に大きな実りがあるということは、やっぱり有り難く、大変なことだよなあと思いながら家に帰り、妙にしんみりした気持ちで、まったく終わりそうにない仕事のつづきをした。ちなみに今回のテーマでもあるダラスは、完全復活を果たしたココ・シャネルがニーマン・マーカス賞を贈られた場所。フランスでこてんぱんに批判されたあとだったということもあり、嬉しさ&複雑さもひとしおだったのではなかろうか(そしてカール様による、今季のムービー『The Return』はこちら)。
しかし、70代後半まで生きるとしてあと40年かあ。10年を4回。それより早く死ぬことだってじゅうぶんに考えられるわけなので、働ける最大としてのこの猶予。いずれにしても、あっとういうまなんだろうなあ。まじで。ああ、いい仕事、しっかりと、たくさんしたいな。こんな気持ちになるときにいつも思いだすのは、『タイタンの妖女』のビアトリス・ラムファード。