川上未映子

2014.12.11

春の、さまざまなお知らせ

 ご無沙汰しております、すっかりめきめき寒くなって、やっぱ冬将軍って感じですね。今年もあっという間に終わってしまうわけですけれど、いま現在は怒濤の年末進行で、毎日毎日気がつけば、パソコンやゲラと一体化しているんじゃないかという親密さでもって原稿をただひたすらに書いています。みなさんは、いかがお過ごしですか……。

 

 ○今日も今日とてお知らせですが、筑摩書房から刊行される、ちくま評伝シリーズ『ココ・シャネル』の一冊に、巻末エッセイを寄稿しました。

 

9784480766229

 

 怒れる孤高のココシャネル……タイトルはこんなんじゃないけれど、内容はこんな感じです。若い読者が様々な人々を知るきっかけになってくれればよいなと思う、素敵なシリーズであります。どうぞよろしくお願いします。

 

 ○『文學界』1月号ラブレター特集に寄稿しております。作家がラブレターを書く、というシンプルながらも恐ろしい企画で、しかし楽しんで書きました。そしてお知らせがずいぶん遅くなりましたが、来年からの文學界新人賞の選考委員に就任いたしました。小説を応募くださるみなさまへのメッセージはここから読めます!そう、人生はなんかの玉。

 

 ○そして、今週発売の『週刊新潮』では、作家の北原みのりさんと、アーティストのろくでなし子さんの逮捕、再逮捕について書いています。タイトルは『女性器は女性のものに決まってるだろ!!』です。こちらのブログ記事「まんまんちゃん、あん!」と併せてお読みいただければ幸いです。

 

 

 

 そして……来年から、またいくつか新連載が始まります。

 子どもが生まれて時間があまりにもどこにもなくて、もう連載は増やさないで生きていこう、そうしないと小説も詩も書く時間がほんとうにないないと震えている矢先になぜ! なぜなぜなぜこんな展開になっているのかというと、これらの連載のご依頼をいただいた当時、「……ふうむ……でもま、そうね、2014年には、いくらなんでも例の長編、書き終わってるやろ」と、ふつうにそんなことを馬鹿なわたしはなんとなく信じていたわけであって、なので「いま書いてる長編終わってるので2年後だったらいけますよー」なんて編集者の方々にけっこう楽観的に答えてしまったわたしなのだけれど、じっさいに2014年が終わろうとしているいま、じゃあ現実がいったいどうなっているかというと長編なんてまったくぜんぜん書きあがってないのはもちろん、何もかもがきつきつになってゆくいっぽう、それどころか一年以上も待ってもらってる短編だって複数ある始末で、すべてがごてごての、もう見渡す限りがわやくちゃなんである。

 「でも、ちょ、長編でてないのみんな何となくわかってくれてるやろうし、約束したのって2年前やし、それからみんなの気持ちも変わるやろうし、あのときの連載の話、なんとなくない感じの方向に流れていってるかもしれへんな……」と息を潜めて静かにしていたら、もちろんそんなことはなく、みなさまとびっきりの笑顔で締め切りをがんがんに決めてくださいまして、迅速に、円滑に、ごくごく自然にすべてが(わたしの小説以外)予定通り始まって、そして、動きだしたのでありました。

 

 2015年の1月22日号から新しく始まるのは、

 『婦人公論』の巻末エッセイ、タイトルは「一期一えっ!?」です。週刊新潮の『オモロマンティック・ボム!』もそうやし、「ミエコもそういうの、好きねえ……」を思われるかもしれませんが、この素晴らしくもおきゃんなタイトルをつけてくれたのは編集者の石川由美子さんで、いくつか並んだタイトル案のなかで最初にこれを見つけたとき、「石川さんも、明るい顔して、けっこう追い込まれてんねんな……」と思ったけれど、見ているうちにわたしが考えたのなんかよりも、だんだんこっちが好きになって、「これがええんとちやう」という感じで決定と相成った次第でございます。1年間、思わず、『えっ!?』と驚いたことについてのあれこれを書いてゆきたいと思います。イラストは、『岡崎に捧ぐ』で話題沸騰の新進気鋭、漫画家の山本さほ先生でーす! 山本先生による、「驚愕するミエコ」イラストも8割増しに素敵に描いてくだすって、こちらもぜひぜひ、お楽しみくださいませ。隔週で、どうぞよろしう。

 

  そして『美的』でのショートストーリー、『コスメの魔法』です。気になるわたしの好きなコスメをひとつあげて、それにまつわる小さなお話を毎号書いてゆきます。コスメ、好きなんですよね……(しみじみ)。『Frau』での連載「伝説のコスメ」はレジェンドである一品をめぐっての随筆で、おなじコスメを中心とする文章でも、まったく違うあんばいになっております。それぞれ誌面も素晴らしくうつくしいので、ぜひ、お読みくださいませ。

 

 そして『たまごクラブ』での『ママは荒野を目指さない!』です。荒野、目指せへんのかよ!と即座に突っ込まれそうですが、ママは色々しんどいんだよ……荒野なんか目指さなくても気の持ちようでリビングも台所も風呂場もどこでも荒野になるんだよ……っていうのがこのタイトルの所以ということではないけれど、でもできれば荒野は目指したくない、これ以上ささくれたくない、ごつごつした大地もいまは踏みしめたたくない、みたいな気持ちで、どうかひとつよろしくお願いします。毎号、ひとつひとつトピックをあげて、それについて書いてゆきます! 2015年1月号には、連載開始にあたってのロングインタビューが掲載されます!よろ!

 

 

 


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