川上未映子

2016.04.30

12年ぶりのNY

  息子を連れて新幹線で大阪へゆき東京へ戻ってそのまま成田、NYへ。いけるんかこれ、と思っていたらわりに行ける4月の終わりかけるある日なのだった。時差ぼけで眠れているのか眠れていないのかわからなくてもNYはとても楽しい。今日も色んなことがたくさんあったけど、打ち合わせのあとニューヨーク大学でのセッションまでのあいだにMOMAに行ってドガを見た。写真撮ったらあかんよなふつう、と思っていたらみんなカシャカシャ撮っていたのでどきどきしながらわたしもドガ。

 

 

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 そしてワイエス……!

 

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  と、この日記を書き始めてからここまでで4日も経っており、なぜならば毎日忙しく夜遅くホテルに着き、そして時差ぼけが大変なのだからであって、こちらでの活動についてはまた後日……。新しいMac Bookも、難しいなあもう。キーボード、改行変換なれんなれん。

2016.04.22

大切なことについて話す初夏

 

 

 懸念していたこと、思いもよらないことがつづけさまに起きてしまう、まったくなんという年なのだろう。いつまでくりかえすのだろう。九州地震で被害に遭われたみなさま、お見舞い申し上げます。今も避難所で不安な日々を送っていらっしゃるみなさまが一日も早く穏やかな時間を取り戻されますように。心からお祈りいたします。

 

 非常時への対応がもちろん最優先となるのですが、日常の問題も待ってはくれず、こんなときでさえ同時に考えなくてはなりません。

 来月、こちらに参加することになりました。

  いま保育園や育児をめぐって社会で問題になっているさまざまについて、そもそも何が問題なのか、その問題を解決するにはどうしたらよいのか。わたしたちの日常と政治のつなぎめを確認し、子育てに関係ある人もそうでない人も一緒に考え、そして話し合える場になりますように。みなさま、ぜひ参加してください。

 

 「保育園落ちた!選挙攻略法2016」

日時:2016年5月22日(日)13:00ー15:30
場所:上智大学四谷キャンパス2号館4階 401教室
チケット購入要:1148円(資料代1000円+Peatix手数料148円)
http://hoikuen-senkyo.peatix.com
(Peatixというサイトを通じて、チケットを購入いただく必要があります)
※先着35名まで託児有・無料、託児申込は5/12まで!
詳細は以下からお願いします!

FBイベントページ

チケット購入ページ

 

2016.04.12

春だった

 

 昨日の寒さにはびっくりしたけれどしかしたしかに春だった。ここ10日間ほどわりにひどい風邪をひいていて、治ったかなと思ったらぶり返し、それもおさまったかなと思ったら巻き返し、みたいな感じでじつに冴えない日々なのだった。しかしわたしの冴えなさをこころゆくまで楽しむ、ということはわたしの人生においてもう許されないのであって、難儀なことです。

 

 ただいま発売中の『Frau』5月号に、1万字インタビューが掲載されています!すごいヴォリューム、そしてポートレイトも載っております。ぜひ、お手にとってお読みくださいませ。

 

 そしてただいま発売中の『文學界』は新人賞発表号です。受賞作は渡辺勝也氏『人生のアルバム』、砂川文次氏『市街戦』。おめでとうございます。同号に、選評が掲載されています。

 

 先日、拙作『あこがれ』が、第一回渡辺淳一文学賞を受賞して、そのお祝いのお花が家にあふれていてわたしは本当にうれしい。なんという花のかわいさだろう。胡蝶蘭、ばら、ユリ、なにもかも。こうしてお花が盛り盛りと家に届くと十日間ほど至福の時間を過ごせるのだけれど、しかしみながいっせいに枯れてゆくさまはそれはそれでけっこう淋しいんですよね……写真は、大好きなル・ベスベさんのアレンジメント……!

 

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  そして映画『グレムリン』のご存知ギズモ……!知らないうちにこの映画が大好きな息子が撮っていました。ところでこのギズモって壮絶な絶壁頭で、撫でてると他人事と思えないんだよね。今度横から撮ってみます。

 

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 若いとき、桜は大変なものだった。今でもその理由はわかるけど、しかしこのあいだ猛烈に咲く桜の樹の下を車でくぐり抜けたとき、やられる感じはもうしなかった。この花の、どうもこの世のものではないような雰囲気を、時間の柔らかな底をすっかりさらって胸にそっくり移し変えるその手つきを、今やわたしは堂々と無視し、そしてうたた寝さえしてみせたのだ。

 

2016.03.25

春の登場、「おめかしの引力」と「安心毛布」

 

 すっかり春なのに少しさむい春の真んなかに、しゃがんでいるあの子の名前は何度きいても忘れてしまう、匂い編む、きみ沈む、そうしてるまにやってくる熱それは手紙それは挨拶それはお別れ、春のひとふれ、みなさまいかがお過ごしですか。

 さて、朝日新聞で6年間、連載しておりましたファッションについてのコラム『おめかしの引力』が単行本になって刊行されました、わーい。見てくださいませや、この装幀……吉田ユニさんが作ってくださったこの色、この引力、このムード……裏もとっても素敵なイメージで、ぜひお手にとってごらんくださいませな。

 

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 連載『おめかしの引力』では毎回、おめかしにまつわるあれこれについて書いてきたのですが、そのなかで言及したものの写真……フリルとかパフとか靴とかコルセットとか、70年代ファッションが流行った20歳前後めっさがんばってたけど完全に空まわってる当時の写真とか、20年着てる寝間着とか……そういうの載せたらにぎやかでええんとちやうの、ということで、写真に解説もついたりなんかして、たっぷり8ページにわたって載っております。どうぞ、よろしくお願いします!

 

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 そしてそして、エッセイ『安心毛布』が文庫化されて再登場!シリーズ完結編がついに文庫になって、これで本当の完結的な。読みかえしてみて時が見えたわ……装幀は、単行本&文庫本、計6冊すべてを担当してくださった、浜田武士さんです。見てくださいませや……このバランス、このクールさ、目次に喚起されるものってありますよね。懐かしいし、またいつかもどりたい場所みたいでもあって、ゆれることです。手のひらサイズの安心毛布、どうぞよろしくお願いします、これであなたも安心毛布ァー。

 

 

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 目にたまるもの覚えて朝、指先ぐるぐるまわしたら春、からまって

 

 

 

2016.02.29

NHK「英語で読む村上春樹」でお話したけれど

 昨夜、放送された「NHK第2ラジオ 英語で読む村上春樹」、こちらで登録すれば1週間お聞きいただけるそうです。 テキストは「眠り」、そして「TVピープル」

 3月5日(土)の午後0:10~0:40 に再放送もあるみたいです。聞き逃されたかた、もしご都合あえばぜひー。

 掲載情報とかその他もろもろ、ニュースページのほうで更新していますので、そちらもチェックよろしゅうです。

2016.02.12

ニュースの欄の登場

 あっというまに時間が流れ過ぎ去ってしまうのに追いつけず、ということはお知らせめいたもの、つまり何がどこに掲載されたとかインタビューが載りましたとかそういう細々とした事実&お知らせもどんどんなかったことになってしまうのを避けるために、このたびニュースの欄を設けることにしました。この日記のページの更新はできるだけ写真とか告知ではない日記めいたものにしたいという理想はまだあきらめておりませんので、最近どんなやの、と思われたかたはまずニュースをチェックしていただく、というあんばいになればいいな&ぜひともひとつ、どうぞよろしくお願いします。

2016.02.05

米文芸誌「Denver Quarterly」、「Pleiades」 に詩と短編

 

 ちょっとまえになっちゃったけどアメリカの文芸誌「Denver Quarterly Vol.49」に、“The Elephant’s Eye is Burning, Burning”が掲載されました。「象の目を焼いても焼いても」という詩です。第一詩集「先端で、さすわ さされるわ そらええわ」に収録されています。

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 そしてさらにおなじく文芸誌「Pleiades」には、“Strawberry Fields Forever and Ever”が掲載されました。こちらは短編集「愛の夢とか」に収録されている「いちご畑が永遠につづいてゆくのだから」です。うれしいな。翻訳は由尾瞳さん。ぜひお手にとってみてください!

 

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2016.02.05

東京国際文芸フェスティバル2016 イーユン・リー × 川上未映子

 東京国際文芸フェスティバルが開催されまーす。初回、前回にひきつづき盛りだくさんの文学的なプログラム。

 

 わたしはイーユン・リーさんと対談します。モデレーターは翻訳家の小澤英実さん。詳細はみなさまこちらでチェックしてください。

 

 イーユン・リーさんの主要な作品はほとんどが日本語に翻訳されていて、わたしも愛読者のひとり。何から話そう、何について話そう、ここ最近わたしはそれについてよく考えています。

 

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 テーマは小説のヴォイスについて。中国からアメリカに渡り、そこから習得した第二言語で小説を書いている彼女。小説が、物語が書かれてゆくそのいくつかの 段階で、いったい何が起こっているのか、あるいは起こっていないのか。彼女にとっての中国とアメリカ、そして小説にとってのそれぞれ。いったい何が彼女に 書かせるのか。イーユン・リーさんと、この時期に創作についての話ができることは、わたしにとって本当に贅沢で重要なことだと思います。楽しみでなりません。当日は作品の具体的な内容について触れたいと思っているので、ぜひとも彼女の──ほんとは全部と言いたいところですが、短編集「千年の祈り」、最新長編の「独りでいるより優しくて」は、やっぱりお読みになって来ていただけるとさらに刺激的なひとときになるかと思います。どうぞよろしくお願いします。本 当にうれしい。本当に楽しみ。

2016.02.01

3月15日「あこがれ」朗読会 @本の場所

  朗読会は定員に達したため締め切りになりました。みなさまありがとうございます。なお、申し込みフォームには「申し込み多数の場合は抽選」と表記されていますが、今回は抽選方式ではなく先着順だった模様です。すみません。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 しかし寒いですね。でも今日はちょっとましですね。最近一日2回とかスパゲティ食べてます。

 

 まだ少し先ですが朗読会をします。これまで対談や講演のなかで自作を読んだり、読書フェスや何人かでする朗読会には参加したことはありましたが、単独で朗読会、というのは初めてのような気がします。いや、気がするんじゃなくてきっと初めて、ですたぶん!

 

 外観はこんな感じらしいてです。本という字が大きいね!お申し込みは&詳細はこちらで! 少人数でいっぱいになってしまうそうなので、早めのお申し込みをおすすめいたします!

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 開催名は「あこがれ」朗読会となっていますが、何をどんなふうに朗読するかはこれから考えたいと思いまーす。そういえば2011年の春、水戸芸術館でピアニストと一緒に朗読する予定だったのだけれど、そのときは「誰もがすべてを解決できると思っていた日」というホットケーキをとにかく家族で焼いて焼いて塔になるまで積み上げて登ってゆくという詩を、舞台でホットケーキを焼きながら読むはずだったんですよね……地震で中止になってしまったのだけれど、そしてだからといって今回ホットケーキを焼くわけじゃないけれど、みなさまどうぞいらしてくださいませな。朗読、朗読かあ……難しいよね。緊張します。会場の「本の場所」には、河鍋暁斎をはじめとする江戸絵画が多数所蔵&展示されているらしくて贅沢なひとときになりそうです。みなさまどうぞよろしくお願いします。

2016.01.22

ENGLISH、そしてグレムリン

一月も半ばを過ぎて、焦るわね。みなさまいかがお過ごしでしょうか。わたしは毎日せっせと生きております。

このサイトの上のところに新たにメニューバーができておりまして、今後、いろいろと充実させていく予定ではあるのですが、とりあえず今回ご覧いただけるのは<ENGLISH>で、これは何のことかというと海外での活動についてのページなのです。主に海外からの問い合わせのためのページなので、読者のみなさまにはちょくせつ関係のないことではありますが、いちおうお知らせをばー。

秋ごろから数ヶ月にわたって息子がどはまり&夢中の映画は「グレムリン」! もちろんタイトルとパッケージだけは知っていて、わたしは去年初めてこの映画を観たのだけれど、こんなに、こんなに!……どきどきわくわく激烈素敵な映画だなんて、もうまったく、まったくもって知りませんでしたわ!「グレムリン」についてはまた今度……。

このあいだ帰阪したら、中学1年の甥っ子(ときどき冴えたことを言う甥っ子としてエッセイにもちょこっと登場していた)の身長が176センチになっていて驚いた。そして体重がわたしより軽いという……。

今年はさまざまな本の刊行、文庫の刊行、長編も出る予定で、海外での刊行&出張もつづくし、今まででいちばん忙しくなりそうで震えてますが、子育て四年目とはいえ、急な病気とかどうするねんな的さまざまな理由でいつもわりに不安です。でも、がんばって駆け抜けたいと思います。『きみは赤ちゃん』も、何刷りかちょっともうわからないんだけれどありがたいことに増刷は続き、そして『すべて真夜中の恋人たち』文庫版も、たしか12刷?とかで、そして秋に出た『あこがれ』も増刷していただきまして、みなさまのおかげです。読んでくれて、本当にありがとう。


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